これは広島県呉市の警固屋に住む
漁師である叔父さんとの話です
私が小学4年生の夏頃
漁に連れて行ってくれると連絡がありました
新しく譲り受けた漁場らしく
魚影が濃いとの事でした
『夕方は危ないから・・・』
この言葉の意味がわかりませんでした
朝の6時に漁に出ました
漁場は意外と遠く
30分くらいかかりました
『あの島を避けてきたから時間かかった』と
言うのです
質問すると
不機嫌になる叔父さんでしたが
この時ばかりは尋ねました
『どうしてあの島を避けるの?』
『あの島の周りには恐ろしいものがいる』
ピンときました
サメだ
『サメ?』と聞きました
すると『招くから聞くな』と怒鳴るのです
怒鳴られてしまったので
それ以上聞けません
モヤモヤが止まりませんでした
叔父さんの顔色を伺いながらの
漁の手伝いは苦痛でした
ですが
それを打ち消すかのように漁は大漁でした
昼過ぎでしょうか
さっきまで快晴だったのに
物凄く暗くなりました
叔父さんの方を見ると血相を変えた表情で
漁船のエンジンを操作していました
辺りを見ると
何とあの島の近くでした
『顔を出すな!伏せてろ』と
言いながら近くにあった
ビニールシートをこちらに蹴り寄せました
『それを被れ!早く!』
叔父さんは怒鳴りました
『伏せてろ!伏せてろ!』
物凄い慌てようでした
その時です
深いはずの海なのに
船底にコツンと何かが当たりました
またコツンコツンと
何かが当たりました
船の揺れに
全く合っていません・・・
明らかに
何かがぶつかっている感じでした
すると船がグルグルと回っている感じでした
叔父さんも急に船底にしゃがみました
すると釣具ケースみたいな木箱から
藁人形みたいなものを取り出すと
いきなり小さなナイフで左の手のひらを切り
その藁人形に血をなすりつけていました
するとその藁人形を
海に向かって思いきり遠くまで投げ込みました
するとさっきまで遊園地のコーヒーカップのように
回っていた船が
ゆっくりと・・・
回転が止まっていきました
叔父さんは急に船のエンジンをかけて
『前に行け!』と怒鳴るのです
言う通りに這いながら前の方に行きました
物凄い勢いのスピードを出しました
まるで暴れ馬のように船は
上下にバサンバサンとなっています
帰りはあっという間に着きました
船つき場に着くと
周りにいた同じ漁師に向かって
『塩撒いてくれ!』と言いました
葬式みたいに身体に撒くのかな?と思ったら
船に塩を撒いているのです
それでも
陸にあがっていいと言われません
時々
飛んでくる塩が
目に入り痛くて・・・
体育座りで顔を伏せていました
すると服を脱げと言うのです
叔父さんも服を脱ぎました
すると普段から
焚き火に使っているドラム缶の中に
投げ込みガソリンをかけて燃やしていました
『臭いをつけられるからな』
子供心に不思議でした
体臭は一緒なのに?
ほっとした安堵感からか
叔父さんの顔色が穏やかに見えたので尋ねました
『どうして服燃やすの?』
すると叔父さんは
先程とは打って変わって顔色が変わりました
『あいつは普通のサメじゃない』
『陸にいても安心できん』
不思議でした
陸にいるのに?
尋ねようとしたら
叔父さんは自ら続きを教えてくれました
あの二匹のサメに狙われると
不幸な事が起きるというのです
4人の漁師達が
次々と怪死したと言うではありませんか!
1人目は車を運転中にトンネル内で
2人目は家の中で
3人目は漁の最中に
4人目は茨城県の実家で
不思議な事にばらばらに噛みちぎられて・・・
まるで
サメに噛みちぎられたかのようだとか
叔父さんに
この漁場を譲った人は
唯一の生存者らしいのですが・・・
生き延びたのは
その人の様子を見ていた他の漁師が
陸に上がる前に
服を燃やしている異様な光景を見た事から
助かったのは
服を燃やしたからか!?と噂されていました
その人は怖くて漁師を止めて
毎日
鉄製の鎧を着ているそうでしたが
家族に精神病院に入れられてしまったとか
叔父さんは
『今日で漁師止める』言いました
やはり相当に怖い存在なのでしょうか
その日に漁師を止めて
家族と共に
海の無い埼玉県に引っ越して行きました
私も現在まで無事です
叔父さんは86歳で亡くなりましたが
老齢での衰弱死だったので
あの服を燃やした行為は
間違っていなかったと思います
貴方の周りにも
踏みいってはいけない海域がありませんか?
そこには
ヤバイ魔物が住んでいるかもしれません
※画像はフリー写真素材【写真AC】【イラストAC】より
イメージ画像として使用しています
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